今回はこんな男性のお悩みを解決していきます。
この記事でわかること
- シャンプーに含まれる界面活性剤とは?
- 界面活性剤の種類と効果
- 悩みに合わせた界面活性剤の選び方
シャンプーは髪の毛や頭皮の汚れを落とすもの。
とはいえその洗浄力がどのくらいあるのか、自分が使っているものは強いのか弱いのかと気になったことがある男性も多いのではないでしょうか?
しっかりと泡立っているし洗い上がりもさっぱりする。
「しっかりと洗えているはず!」と思っても、頭皮や髪の毛に違和感を感じたことがある方もいらっしゃるかと思います。
もちろんシャンプーを選ぶ際の基準は様々ですが、「汚れを落とす力」がどのくらいなのかということをを一つの目安として知っておいて損はありません。
洗浄成分である界面活性剤の種類や効果を知ることは自分にあった一本を見つける上で非常に効果的です。
そこで今回は界面活性剤の種類とその効果、さらには頭皮の悩み別におすすめの界面活性剤や年代別におすすめのシャンプーについても解説していきます。
ぜひ参考にしてみてください!
目次
シャンプー選びは界面活性剤が重要
結論から言うと、シャンプーを選ぶ際は界面活性剤が非常に重要です。
シャンプーには様々な成分が含まれていますがそのほとんどが水と汚れを落とす成分である洗浄成分、つまり界面活性剤で構成されているんです。
もちろんシャンプーに含まれている成分は界面活性剤だけではありません。
保湿成分や抗炎症成分・抗菌成分など様々な成分が含まれていますが、これらはあくまで補佐的なもの。
シャンプーを選ぶ際は界面活性剤として何が使われているかで品質の良し悪しを判断することができるんです。
とはいえ高価なシャンプーが一概にいいと言うわけではありません。
いいシャンプーというのはその人にとって頭皮環境にあっているか、より良い状態に改善していくことができるかで決まります。
つまりいいシャンプーを選ぶ上で界面活性剤にこだわることは非常に重要ということです。
それぞれにその強さや特徴があるのであれば自分に合う一本を選びたいですよね!
シャンプーに含まれる6つの界面活性剤と効果
その種類と効果を教えて欲しいです!
前述したようにシャンプーはほぼ水と界面活性剤で構成されているため、どんな種類や効果があるのかを知ることは非常に重要になります。
ここではシャンプーに使用される代表的な6つの界面活性剤ご紹介します。
洗浄力の強さや刺激性は以下の図をイメージしていただくとわかりやすいかと思います。
それではここからそれぞれの効果や特徴も解説していきますので是非参考にしてみてください。
「おっ!自分のシャンプーの洗浄成分は〇〇かぁ!」と実際に見ていただくことでイメージしやすくなります!
アミノ酸系
マイルドで適度な洗浄力を持つアミノ酸系洗浄成分。
頭皮の皮脂をとりすぎることなく、適度な潤いを残しながら優しく洗い上げてくれるのが最大の特徴です。
そのため乾燥肌の方や敏感肌の方、髪のダメージが気になる方など幅広い男性におすすめです。
また同じアミノ酸系でも洗浄力に幅があり、弱いものから順に、グルタミン酸系→アラニン系→グリシン系の3つに細分化されるためそれぞれの成分例もご紹介していきます。
グルタミン酸系
洗い上がりはしっとりで低刺激かつ洗浄力は弱め。
- ココイルグルタミン酸Na
- ココイルメチルアラニン酸TEA
- ラウロイルメチルアラニンTEA
アラニン系
洗い上がりはサラサラで、適度な洗浄力でありながらも低刺激。
- ラウロイルメチルアラニンNa
- ココイルグルタミン酸TEA
グリシン系
洗い上がりはさっぱりとし、洗浄量が強めではあるが低刺激。
- ココイルグリシンK
- ラウロイルグリシンNa
- ミリストイルグリシンNa
高級アルコール系
洗浄力が強く、泡立ちが良いのが特徴の高級アルコール系洗浄成分。
皮脂量が多い方やスタイリング剤をしっかりと使う方にはおすすめです。
洗った時に爽快感があるためスッキリ感を得ることはできますが刺激が強いため、敏感肌の方や乾燥だ肌の場合は頭皮トラブルの原因になる場合があります。
また比較的安価な成分であるため市販のシャンプーに使われていることが多くあります。
高級アルコール系
- ラウレス硫酸Na
- ラウリル硫酸Na
- ラウレス硫酸アンモニウム
オレフィンスルホン酸系
高級アルコール系と同じくらい洗浄力が強く泡立ちの良さが特徴ですが、刺激においては若干弱めなのがオレフィンスルホン酸系。
洗い上がりの爽快感はあるものの肌質によってはシャンプー後のツッパリ感やパサつき感、髪のきしみやパサつきを感じる場合もあります。
また、高級アルコール系洗浄成分同様に比較的コストが低いため市販の安価なシャンプーに使われている場合が多くあります。
オレフィンスルホン酸系
- オレフィン(C14-16)スルホン酸Na
- α-オレフィンスルホン酸Na
石けん系
高めの洗浄力と脱脂力を兼ね備えつつ低刺激なのが石けん系洗浄成分。
泡立ちもよくさっぱりとした洗い上がりではありますが、アルカリ性のため髪の毛表面にあるキューティクルが開いてしまいきしみの原因になることがあります。
また保湿力が弱いため乾燥肌の方や敏感肌の方、アトピーなどの方は向かない場合があります。
石けん系
- 石鹸素地
- カリ石鹸素地
- ラウレス-4カルボン酸ナトリウム
- ラウレス-6カルボン酸ナトリウム
タウリン系
アミノ酸の一種であるタウリンを元にした界面活性剤がタウリン系洗浄成分。
アミノ酸系洗浄成分同様マイルドな洗浄力と肌への刺激が少ないのが特徴です。
きめの細かい泡立ちで心地よく頭皮の汚れを落とすことができます。
タウリン系
- ココイルメチルタウリンNa
- ラウロイルメチルタウリンNa
- ココイルメチルタウリンタウリンNa
ベタイン系
アミノ酸系洗浄成分よりもさらにマイルドな洗浄力で低刺激な洗浄成分であるベタイン系。
保湿効果も高いことからベビーシャンプーや敏感肌用・ダメージヘア用シャンプーに単品で用いられることも多くあります。
とはいえ洗浄力が弱いことから皮脂の分泌量が多い方や日常的に油分の強いスタイリング剤を使っている方の場合、皮脂や油分を落としきれず頭皮環境や髪の状態を悪化させる場合があります。
ベタイン系
- コカミドプロピルベタイン
- ココアンホ酢酸Na
- ラウラミドプロピルベタイン
思いの外弱いものを使っていた、強いものを使っていた様々かと思います。
シャンプーのメインとなる成分ですので注目して選んでいきましょう!
シャンプーの成分表は界面活性剤の順番がカギ
多くのシャンプーは「化粧品」に該当するため薬事法という法律で全成分表示が義務付けられています。
また、記載するにあたりルールとして配合量が多い順に記載されています。
一番最初に記載されているものは最も配合量の多い「水」であることが多いです。
その次に記載されているものが界面活性剤であることがほとんどです。
とはいえシャンプーに配合されいている界面活性剤というのは1種類以上の場合が多く、複数の界面活性剤がバランスよく配合されていることが多いです。
たくさんの横文字が並んでいるため「んん?」と思われるかもしれませんが、1つ目(メインの界面活性剤)と2つ目(補助的な界面活性剤)くらいを目やすみ判断すると良いでしょう。
最適な界面活性剤【男性のお悩み別】
頭皮の状態や髪の状態というのは人によって、また年齢によっても異なります。
私も普段サロンワークをする中で「高価なシャンプーは良くて安価なシャンプーだとあまりよくないんでしょ?」とご質問をいただきます。
もちろん高価なシャンプーには高価な成分や有効成分が豊富に含まれていることが多いですがそれが全員効果的というわけではありません。
他人から「このシャンプーいいよ」いいよと勧められて使ってみたもののどうもしっくりこないと感じた経験がある方もいるかと思います。
重要なのは界面活性剤を含め自分の頭皮環境にあった成分が含まれているかどうかです。
ここでは男性からよくいただく5つのお悩みに絞って、どんな界面活性剤が適しているかどうかご紹介させていただきます。
- 抜け毛や薄毛
- 頭皮のベタつき
- 頭皮の乾燥
- フケ
- かゆみ
抜け毛・薄毛
抜け毛や薄毛が気になる場合、血行不良を改善することで効果を期待できる場合があります。
頭皮は過剰に皮脂を摂りすぎてしまうと頭皮が乾燥し血行不良に陥る可能性があります。
そのため適度な洗浄力と保湿効果のあるアミノ酸系洗浄成分がおすすめです。
また、アミノ酸系洗浄成分でもサラッとした仕上がりが好みの方はアラニン系、しっとりとした仕上がりが好みの方はグルタミン系がおすすめです。
- アラニン系・・・ラウロルメチルアラニンNa、ココイルメチルアラニンNa
- グルタミン系・・・ココイルグルタミン酸Na、ココイルグルタミン酸Na
ぜひ読んでみてください!
男性の抜け毛に有効な育毛シャンプー10選【男性専門美容師が解説】
頭皮のベタつき
頭皮のベタつきは皮脂の過剰分泌もしくは皮脂の洗い残しが関係しています。
脂性肌の方の場合
シャンプーで皮脂をしっかりと除去でいていない可能性があります。
その場合は高級アルコール系や石けん系をメインとする洗浄成分が配合されたものを選んでみましょう。
- 高級アルコール系・・・ラウレス硫酸Na、ラウリル硫酸Naなど
- 石けん系・・・石けん素地、カリ石けん素地
とはいえこの二つの界面活性剤は洗浄力が強いため、常用し続けると頭皮トラブルの原因になる場合もあります。
そのため違和感を感じたら使用を控えましょう。
おすすめの使い方は2〜3日に一回のペースで使用する、シャンプー後の頭皮の保湿をしっかりする、補助成分としてタウリン系やベタイン系洗浄成分が含まれているものを選ぶなど、上手に使うことをおすすめします!
乾燥肌の方
過剰に皮脂をとりすぎることで地肌が乾燥し、逆に皮脂が分泌しベタついている可能性があります。
(顔の肌が乾燥しがちの方は頭皮も乾燥肌であることが多いです)
また、終日空調の効いた室内にいることが多い方も頭皮は乾燥しがち。
その場合はマイルドな洗い上がりのアミノ酸系洗浄成分かベタイン系洗浄成分がおすすめです。
- アミノ酸系・・・ラウロルメチルアラニンNa、ココイルグルタミン酸Na
- ベタイン系・・・コカミドプロピルベタイン、ラルラミドプロピルベタイン
ぜひ参考にしてみてください!
頭皮のベタつきに最適なメンズシャンプーおすすめランキング20選!
頭皮の乾燥
頭皮が乾燥している場合、洗浄力が強い界面活性剤を使ってしまうとさらに頭皮環境が悪化します。
そのため適度な洗浄力があり、さらに保湿効果の高い界面活性剤であるアミノ酸系もしくはベタイン系の洗浄成分を選びましょう。
- アミノ酸系・・・ラウロルメチルアラニンNa、ココイルグルタミン酸Na
- ベタイン系・・・コカミドプロピルベタイン、ラルラミドプロピルベタイン
フケ
フケにはカサカサとした乾性フケと、しっとりとしたやや黄色っぽい脂性フケの2種類がありそれぞれに適した界面活性剤があります。
乾性フケの場合
乾性の原因は頭皮の乾燥です。
空気の乾燥やエアコンにより地肌が乾燥しているため程よい洗浄力のアミノ酸系やベタイン系の洗浄成分が配合されたシャンプーがおすすめです。
- アミノ酸系・・・ラウロルメチルアラニンNa、ココイルグルタミン酸Na
- ベタイン系・・・コカミドプロピルベタイン、ラルラミドプロピルベタイン
脂性フケの場合
脂性のフケは皮脂の分泌が過剰になることで起こります。
ホルモンバランスや食生活の乱れなど様々な要因は考えられますが、シャンプーが十分でしっかりと皮脂を落としきれていない場合があります。
しっかりとした洗浄力のある高級アルコールけいか石けん系の洗浄成分をメインに配合したシャンプーを使ってみて様子を見てみましょう。
- 高級アルコール系・・・ラウレス硫酸Na、ラウリル硫酸Naなど
- 石けん系・・・石けん素地、カリ石けん素地
頭皮のかゆみ
頭皮のかゆみは地肌の乾燥、もしくは皮脂の過剰分泌が原因である可能性があります。
乾燥によるかゆみ
頭皮の乾燥には過度な洗髪や熱湯での洗髪、紫外線や空調など様々な原因が考えられますがシャンプーにおいては洗浄力が強すぎることが考えられます。
そのため界面活性剤を選ぶ際は頭皮への刺激が少なく保湿効果も高いアミノ酸系洗浄成分を選ぶようにしましょう。
- グルタミン酸系(しっとり)・・・ココイルグルタミン酸TEA、ココイルグルタミン酸Na
- アラニン系(サラサラ)・・・ラウロイルメチルアラニンNa、ココイルメチルアラニンNa
- グリシン系(きしみが出やすい)・・・ココイルグリシンK
アミノ酸系の界面活性剤は上記3つに細分化されます。
仕上がりの好みによっても使い分けてみましょう。
皮脂の過剰分泌によるかゆみ
皮脂の過剰分泌により、頭皮の常在菌であるマラセチア菌が増殖すると頭皮が炎症を起こしかゆみを誘発することがあります。
その場合は皮脂をしっかりと落とすことができる界面活性剤である高級アルコール系や石けん系の洗浄成分をメインとするシャンプーで対策をしましょう。
- 高級アルコール系・・・ラウレス硫酸Na、ラウリル硫酸Naなど
- 石けん系・・・石けん素地、カリ石けん素地
界面活性剤に関するFAQ
最後にお客様からよくいただく界面活性剤に関する質問についてまとめていきます。
界面活性剤は肌に良くないって本当?
今回の記事でお伝えしたように洗浄力の強い界面活性剤は必要な皮脂まで落としてしまうため、頭皮や髪の乾燥を招く場合もあります。
また、界面活性剤の中でも石油などから化学的に作られた合成界面活性剤は、肌に残りやすく肌荒れを起こしやすいと言われています。
とはいえアミノ酸系やベタイン系の界面活性剤は低刺激で肌への悪影響が少なく、またしっかりとした洗浄力のある石けん系の界面活性剤であれば低刺激で肌への負担が少ないのが特徴です。
それぞれの成分の特徴やその効果を理解して使い分けることで、頭皮や肌への負担を減らすより良い状態を維持することができます。
界面活性剤を使っていないシャンプーはあるの?
結論から言うと界面活性剤を使っていないシャンプーは存在しません。
稀に「界面活性剤不使用」と表記されいているシャンプーを目にすることがありますが、汚れを落とす効果のある別の成分が入っていたり、微量ではありますが界面活性剤が含まれていることが多いです。
界面活性剤の代わりに、ガスールなどの粘土やハーブなどを用いたシャンプーもあります。
ですが洗浄力が弱く、日常使いには適さない場合が多いため刺激や洗浄力が気になる場合はベタイン系やタウリン系などの低刺激なものを選ぶようにしましょう。
年齢によっておすすめのシャンプーはあるの?
普段サロンワークをしていると、20代〜50代と幅広い年代のお客様を担当させていただくのですが、年代によってもお悩みや課題はそれぞれ。
つまり年代によって最適な界面活性剤、シャンプーというのは異なります。
まとめ【シャンプー選びは界面活性剤が重要】
今回は【界面活性剤】の種類とその効果や特徴をお伝えさせていただきました。
シャンプーには様々な成分が含まれていますが、その大半は洗浄成分である界面活性剤が占めています。
つまり頭皮環境にあった界面活性剤を選ぶと言うことが自分にあったシャンプーであるということです。
普段どんなシャンプーを選べばいいかわからないと思っていた方でも、一つ目安にとなったのではないでしょうか?
ぜひ今後のシャンプー選びの参考にしてみてください。