今回はこんな男性のお悩みを解説していきたいと思います。
この記事でわかること
- 髪の毛がべたつく原因
- べたつきを解消する方法
- 髪がべたつくことで起こるデメリット
夕方、ふと髪を髪を触った時に「髪がべたついているな」と感じたことはありませんか?
わたくしも普段美容師として夕方・夜にかけての時間帯はお仕事終わりの男性をよくカットさせていただきます。
その中にも、夕方になると髪がべたつくことでペタンと潰れてしまうなんてお声をいただくことも少なくありません。
「毎日シャンプーしているのにどうして?」と思っている男性も多いのではないでしょうか。
髪の毛がべたついていることでもしかしたら臭いも?なんて気になってしまいますし、そもそも何か頭皮トラブルなのではと心配にもなってしまいます。
そこで、今回の記事では髪の毛がべたつく原因とその解消方法、さらには髪の毛がべたつくことで起こるトラブルについてお伝えしていきたいと思います。
なぜ髪の毛はべたついてしまうのか?
「髪の毛がべたつく、髪の毛が油っぽい」
こう感じている男性の中には毎日シャンプーをしているのになんでだろうと悩んでいる方も多いかと思います。
そもそも油っぽい髪とはどんな状態なのでしょうか?
- 髪がべたつく
- 触ると髪の油がつく
水で濡れているわけでもなく、油で髪が湿っている状態がべたついている状態と言えます。
ではなぜ髪の毛がこのようになってしまうのか?
結論から言うと頭皮から分泌されいてる皮脂の量が多いからなんです。
頭皮には汗腺が多く汗をかきやすい部位ではありますが同じように皮脂線の数も多く、髪の毛がベタついてしまうのはこの皮脂線が活性化されていることが原因です。
では、「シャンプーをたくさんすればそんなベタつきも取ることができるのでは」と思ってしまいがちですが、そんな方が陥ってしまいがちな注意すべき点に以下の2つがあります。
- 1日に何度もシャンプーをする
- 洗浄力の強いシャンプーを使っている
頭皮の皮脂を無理に取り過ぎてしまい、乾燥状態になってしまうと頭皮は外的刺激から地肌を守ろうとすることで過剰に皮脂を分泌します。
シャンプーをしているのに頭皮がべたついている方はシャンプーをし過ぎている可能性もあるので注意しましょう。
髪の毛がべたつく原因
前述したように髪の毛がべたつく原因は皮脂の過剰分泌が考えられます。
では髪の毛がべたついてしまいがちな男性の特徴、その原因いついて解説していきます。
髪の毛がべたつく原因①:乱れた食生活
普段の食生活において油ものである脂質を過剰に摂取してしますと皮脂の分泌量が増え、髪の毛がべたついてしまいます。
肉や揚げ物、ジャンクフードの取りすぎには注意が必要です。
外食やコンビニ、最近ではデリバリーでの食事が多くなると脂質の摂取が多くなる可能性があります。
脂質ももちろん必要ですが、野菜や魚などもバランスよく取り入れるようにしていきましょう。
髪の毛がべたつく原因②:睡眠不足
睡眠時間が短かったり睡眠の質が低い場合も注意が必要です。
睡眠不足や睡眠の質が低い場合、成長ホルモンの分泌が低下している可能性があります。
成長ホルモンは、頭皮の新陳代謝に必要なホルモンです。
新陳代謝が低下することで健康な頭皮を保つことが難しくなり、頭皮は乾燥しがちに。
そうすると頭皮が乾燥し皮脂が不足していると身体が異常を察知し、逆に皮脂の分泌が増加させ頭皮をベタつかせてしまいます。
髪の毛がべたつく原因③:ストレス
過剰なストレスの蓄積は自律神経のバランスを崩し、ホルモンバランスに影響を及ぼします。
これによって皮脂の分泌にかかわる男性ホルモンが増加し、頭皮が脂っぽくなってしまうのです。
また、ストレスを感じると血管が収縮することで頭皮への血流が悪くなり、栄養不足になることも関係しています。
頭皮が栄養不足になることで新陳代謝に問題が起こり、乾燥しやすくなります。
その結果、乾燥を察知した身体が皮脂を過剰に分泌してしまいます。
髪の毛がべたつく原因④:シャンプーの選び方
「毎日シャンプーをしているのに」と思う方もいるかもしれませんが、毎日使っているシャンプーが頭皮にあっていない可能性があります。
シャンプーには汚れを落とす成分として界面活性剤が含まれているのですが、その洗浄力は強いものから弱いものまで様々です。
例えば乾燥肌の方が洗浄力の強いシャンプーを使ってしまうと頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまい乾燥状態になってしまうことで頭皮は皮脂を過剰に分泌させます。
頭皮も顔や腕と同じように皮膚で繋がっているため、自分に合うシャンプーを知りたい場合はまず自分の肌質を知る必要があります。
肌質は「乾燥肌」「脂性肌」「混合肌」「普通肌」の4種類に分けられ、それぞれ水分量や油分量が異なります。
頭皮環境にあったシャンプーを選ぶことで頭皮のベタつきの元になる皮脂量をコントロールしていきましょう。
髪の毛がべたつく原因⑤:シャンプーの方法
シャンプーの方法が間違っていることでベタつきの原因になっていることがあります。
男性の中には普段からスタイリング剤を使っているという方も多いかと思いますが、スタイリング剤が髪の毛や頭皮に洗い残しがあることでベタつきの原因になります。
特に男性のスタイリング剤には女性用のスタイリング剤に比べ油分が多く含まれていることでベタつきが残りやすい場合があります。
そのため、シャンプーやリンスはもちろん、整髪料の流し残しがないようにすすぎの行程はいつも以上に丁寧に行い、洗い残しがないように気をつけましょう。
髪の毛がべたつく原因⑥:シリコンによるビルドアップ
シャンプーにはケイ素をメインとした合成樹脂であるシリコンが含まれています。
シリコンは安全性が高く多くの化粧品で使用されているいわばコーティン剤ですが、髪に蓄積することでベタつき、うねり、ごわつきがでます。
これをビルドアップといいます。
そのため、髪のベタつきが気になる場合はシリコンに変わる植物オイルなどの保湿成分を配合されているノンシリコンシャンプーもおすすめです。
髪の毛がべたつくことで起こるトラブル
髪の毛のベタつきはツヤ感とは違いベタベタと不潔な印象を与えてしまいます。
特に前髪を下ろしているスタイルの方の場合、前髪がおでこにくっ付くことで顔が大きく見えたり老けて見えたりする場合もあります。
加えて、過剰に分泌された皮脂やフケを餌にして雑菌が繁殖し、嫌な臭いにおいを発生させます。
見た目の印象と同様に嫌な臭いというのは周りを不快にさせてしまう場合もあるため注意をしましょう。
さらに男性の場合、将来薄毛になってしまうのではないかと心配される方もいらっしゃるかと思いますが、頭皮の雑菌は臭いだけでなく、頭皮の炎症やフケ・かゆみの原因になり頭皮環境を悪化させていきます。
頭皮環境の悪化が髪の成長を阻害し、抜け毛や薄毛の要因になる可能性もあります。
注意ポイント
- 見た目の印象を悪くする
- 嫌なニオイの原因になる
- 抜け毛や薄毛の要因になる
髪の毛のベタつきを解消する方法
髪の毛がべたつく原因と、それによってどんなトラブルが起こるのかがわかれば、あとはしっかりと対策しベタつきを解消することです。
生活習慣の乱れや間違ったシャンプー等で皮脂が過剰に分泌している可能性もあるため、当てはまる原因に対し一つ一つ対策・改善していきましょう。
ベタつきを解消する方法①:正しい方法でシャンプーをする
自宅でもできる頭皮ケア・髪の毛ベタつきを抑える対策として効果的なのが毎日のシャンプーです。
男性の中にはササっと済ませてしまうかたもいるかもしれませんが、正しい手順でシャンプーをすることで頭皮環境を健やかに維持し、皮脂の分泌を抑えることができます。
まず、今日からできる対策として以下の手順に沿ってシャンプーをしてみましょう。
シャンプー前のブラッシング
シャワーで髪を濡らす前にブラッシングをします。
刈り上げスタイルやベリーショートスタイルの場合は難しいですが、ある程度の長さがある場合はブラッシングをすることで、髪についているホコリや汚れを落とすことができます。
髪をとくことで、事前に絡まりを解くことができるため本来抜ける必要がない抜け毛を防ぐ効果があります。
丁寧な予洗い
シャンプー剤の前にぬるま湯で頭皮や髪をよく洗います。
しっかり濡らすことで汚れが落ちやすくなり、シャンプーの泡立ちもよくなります。
(この予洗いで頭皮や髪の毛の汚れは7〜8割ほど落ちると言われています)
この時の温度は、熱すぎると皮脂を取りすぎたり、頭皮を傷める原因になるため38度程度がオススメです。
ぬるすぎて水のような温度の場合、皮脂を充分に洗い流せない可能性もあるため温度に注意しましょう。
また、ベタつきが気になるからと1日に何度もシャンプーをしてしまうと、皮脂を過剰に落としすぎてしまうため乾燥じょうたいになります。
その結果、頭皮は乾燥し皮脂の過剰分泌につながります。
シャンプーは1日一回を目安にし、汗をたくさんかいた後や寝癖を直すために朝シャンプーをするのであればお湯で流すだけにするか洗浄力が弱めのシャンプー剤を使うようにしましょう。
また、シャンプーの後の頭皮を乾燥から守るために頭皮ローションをつけることも効果的です。
シャンプーを泡だてて髪につける
事前に手でシャンプーをしっかりと泡立ててから髪を洗います。
シャンプー剤の泡立ちが不十分な場合、シャンプー剤に含まれる洗浄成分をダイレクトに頭皮につけてしまうことになります。
汚れを落とす成分とはいえ洗浄成分も刺激物になる恐れがあるため直接つけることで頭皮トラブルの原因になることがあります。
しっかりと泡立てることで頭皮の全体にシャンプーが行きわたり、頭皮の洗い残しをなくすことができるだけでなく、髪の毛同士の絡まりや摩擦を軽減することでヘアダメージも抑えることができます。
指の腹でマッサージするように洗う
しっかりと泡だてたシャンプーをつけたら頭皮を揉むように指の腹で優しく洗います。
特に男性は気落ちがいいからと力強くこすったり、爪で洗ってたりしてしまう方もいらっしゃるかと思いますが、頭皮を傷つけてしまい炎症等の原因になってしまいます。
ぬるつきがなくなるまでしっかりとすすぐ
すすぎが甘く、シャンプーの洗浄成分が頭皮に残留することで頭皮のベタつきだけでなく嫌な臭いの原因になる可能性があります。
シャンプーの後は泡が流れたから大丈夫、ではなく滑りがなくなるまでしっかりとすすぐことがポイントです。
特に耳の後ろやおでこの生え際は淡い流しが不十分になりやすい場所になるため特に意識して流しましょう。
ベタつきを解消する方法②:地肌にあったシャンプーを選ぶ
シャンプーはたくさんの種類がありどれを選べばいいのかわからないという方もいるかと思いますが、自身の肌が乾燥肌なのかオイリー肌なのかで、地肌の状態にあったものを選ぶようにしましょう。
・乾燥肌:アミノ酸系や薬用シャンプーなど、洗浄力が穏やかで刺激の少ないもの
・オイリー肌:適度に洗浄力を持ち刺激の強すぎないもの
(ラウレス-4カルボン酸Na、ラウロイルメチルアラニンNa、ココイルメチルタウリンNa などの成分をメインで配合しているもの)
シャンプーには背面に成分表示が記されています。
この成分表示は含まれているものが多い順で左から書かれており、洗浄成分は水の次に記載されている場合が多いです。
地肌に合ったシャンプーを使うと、頭皮や髪の毛のベタつきだけでなく、皮脂が原因による臭いやフケも改善されます。
とはいえシャンプーを変えてから効果を実感するまでにはある程度時間がかかります。
地肌の状態を見ながら自分に合うものを探しましょう。
ベタつきを解消する方法③:バランスの良い食事を意識する
前述したように、肉や揚げ物など脂質を過剰に摂取しすぎることで皮脂の分泌は多くなってしまします。
もちろん脂質も必要ではありますがバランスの良い食事が重要です。
また、皮脂分泌を抑えるビタミンB2とB6の多い食材を積極的に取り入れるのも有効です。
・ビタミンB2:納豆、レバー、焼きのり、アーモンドなど
・ビタミンB6:玄米、かつお、シジミ、プロセスチーズなど
納豆やレバーはビタミンB2・B6ともに含まれる食材です。
食事のみでの摂取が難しいときはサプリメントなどを活用するのも効果的です。
ベタつきを解消する方法④:質のよい睡眠をとる
睡眠不足は成長ホルモンの分泌量が減り頭皮環境が乱れることで地肌が乾燥しやすくなります。
特に睡眠のゴールデンタイムと呼ばれる午後10時から午前2時の間に成長ホルモンは盛んに分泌されるため、この時間お間にしっかりとした睡眠を取ることが理想的とされています。
また、良質な睡眠つまりぐっすりと眠るためには、頭・体の両方を使って脳と体の疲れのバランスをとることやうたた寝や午後の長い昼寝でリズムを崩さないこと、寝る1時間前に入浴することで体温を上げておくことなど、寝るまでの生活習慣やライフスタイルの見直しも効果的です。
ベタつきを解消する方法⑤:ストレス発散・解消を心がける
ストレスを感じると目覚めを促すホルモン「コルチゾール」の分泌量が増え、良質な睡眠の妨げになります。
また、ストレス状態が継続すると自律神経のうち交感神経が優位に傾き、男性ホルモンが過剰に分泌されるリスクを高めます。
男性ホルモンには皮脂の分泌を促進する作用があるため、結果として頭皮のべたつきが起こりやすくなるのです。
そのためにはストレスをたまこまないことが重要で、しっかりと休息の時間を作ることや趣味や運動でリフレッシュする時間を作ることが効果的です。
お酒を飲むことがストレス解消法だという方もいるかもしれません。
とはいえお酒を飲むことで顔が紅潮し、皮脂の分泌が促されることがあります。
もちろん禁酒や量を控えることがストレスになり自律神経が乱れる場合もあるため、その結果皮脂の過剰分泌につながる可能性もあります。
ご自身の適量を知ることや適度に休肝日を作るなどしてうまくお酒と向き合っていくようにしましょう。
まとめ
今回は髪の毛がべたつく理由について解説させていただきました。
髪の毛のベタつきは頭皮から出る過剰な皮脂によって起こります。
もともとオイリー肌という方もいるかもしれませんが、普段の生活習慣や間違った頭皮ケアによって皮脂が過剰に分泌している可能性もあります。
今回の記事を読んでいただいた中で、ご自身の生活習慣において当てはまるものがあればぜひ改善してみましょう。